高尿酸血症隠れ鉛中毒説

一部敷地内の水道管には鉛管が使用されている

鉛中毒になると近位尿細管機能に障害を引き起こして尿酸排泄能が低下し尿酸値が亢進する。

鉛が原因で発症する痛風を“鉛痛風”といい、古代ローマ帝国に蔓延していたと言われる。
古代ローマ帝国では水道管と鍋の素材に鉛が使用されるだけに留まらず、
味が良くなるということでワインにまで鉛が添加されていたからである。

翻って現代日本でも一部地域ではそれと似たような状況にある。
いまでは鉛菅が新しく敷設されることはなくなったが、
古い鉛菅が給水ラインに残存している所や配水管の継ぎ目に鉛溶接を施しているケースが多く、
水道水の鉛濃度が高い場合が少なくないからである。

水道水の鉛汚染の深刻さを認識しているのは水道当局の少数の者だけで、その危険性を知らない者が実に多いという。
「日本に鉛中毒は存在しない」という医学会の判断や、
あってないようなデタラメな鉛濃度の安全基準がそのことを如実に物語っている。

こうした現状がまったく改められていないわけではない。
平成4年度の水質基準の大幅な改正でようやく蛇口水道水の鉛濃度が
1リットル当たり0.1mg以下から0.05mg以下に引き下げられ、
さらに平成15年度には安全性を考慮して0.01mg以下に強化されている。
しかしながら安全基準だけが先走って肝心の鉛製給水管の撤去がまるで追いついていないのである。

日本水道協会が初めて全国調査した2006年3月末の時点では、
全国に敷設されている鉛菅は総延長約9597km、使用世帯約509万世帯。
2014年3月末の再調査でも総延長約5752km、使用世帯約347万も残っている。

鉛製給水管使用世帯には都道府県ごとに大きなバラつきがあり、
最高は香川県の37.56%、最低は北海道の0.06%で、
20府県が10%を超え、全国平均使用率は6.96%という統計が出ている。
要するにこの統計は鉛菅問題が未解決であることをはっきりと示している。

具体的にどこの地域の水道水が鉛で汚染されているのかはわからない。
厚生労働省が汚染地区の情報を公開しないからである。

有田一彦『あぶない水道水』P.115

通常の使用では水道水の鉛汚染に問題はないとされているが、
少量の鉛でも痛風リスクが上昇するという新しい学説を考慮すると、
こと鉛痛風に関しては水道局の見解は当てはまらない。

Annals of Internal Medicine(2012年8月)

鉛痛風の特徴は腎障害、貧血、高血圧を合併するが肥満や高脂血症は見られない点にある。
鉛痛風かどうか判然としなければ血中鉛濃度の他、蛍光X線で骨中鉛濃度を測定して診断するが、
わざわざ検査をするよりも早々に亜鉛のサプリメントを内服してしまった方が手軽で安上がりである。
鉛は亜鉛と拮抗する性質があるため亜鉛を大量摂取すれば鉛が体外に排出されるからである。
ちょうどコルヒチンが効くかどうかで痛風発作かどうかを判定するようなものである。

西田ゆう太郎『やさしい痛風・高尿酸血症[2版]』P.71

もしも亜鉛を摂取して尿酸値が下がればそれは鉛中毒の反証となるのだから、
速やかに水道局に連絡して鉛菅の撤去を要請するべきである。
これは水道局の全額負担で行われるので躊躇する必要はない。
ただし対象となるのは私道部のみで宅地内は対象外となっている。

鉛菅の撤去が不可能な場合には水道水でお茶を入れたり炊飯したり煮物に使うことを控えるようにしなければならない。
ペットボトルのミネラルウォーターだと割高になるのでウォーターサーバーを取り入れた方がいい。

なお亜鉛のサプリメントを選ぶ際には次の2点に注意しなければならない。
第一にピロリン酸結合以外であること。ピロリン酸は刺激が強く胃腸を痛めてしまう。
第二に他のミネラルのサプリメントも一緒に摂ること。
各ミネラルは互いに拮抗する関係にあり、特定のミネラルだけを大量摂取すると栄養失調に陥ってしまう。
亜鉛は銅および鉄と拮抗し、鉄はカルシウムと拮抗し、カルシウムはマグネシウムと拮抗し、
このような関係が全てのミネラルに当てはまるので結局全て摂取する必要が出てくる。
亜鉛以外のミネラルにも多くの注意点があってサプリメント選びは困難を極める。
参考までに最も低刺激で高品質なサプリメントメーカーとして、
オーガニックの野菜と果物を乳酸菌で発酵・抽出しているGarden of Lifeを挙げておく。

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